船橋駅近くの細い路地を入ったところにある隠れ家的ワインバル「八十郎商店」。今夜は珍しく母と二人きりで、ワインと合う美味しいものが食べたいということで行ってみました。隠れ家的とはいっても大変な人気店なので週末に入るのはかなり難しく、ほとんどダメ元だったのですが、運良く狭いテーブル席ですがどうにか入ることができました。
まずは乾杯! ビールのように見えますが、これはビールではなくシードルです。シードルというとニッカの甘口のシードルとか、アップルジュースのようなイメージを持つ方もいるかと思いますが、このシードルはあまり甘くなく、ビール感覚で食事にも合わせられる味わいとなっています。
お通しはグリーンオリーブの盛り合わせ。他で見たことのない種類のも入っていて、食べ比べるのも楽しいです。
まずは前菜3種盛り合わせ。3種ということですが、実際は4種入ってちょっとお得な感じ。内容はその日によって異なります。今回は、ゴルゴンゾーラのポテサラ、ワカサギのエスカベッシュ、ラタトゥイユ、ベーコンとふきのとうのキッシュ…だったかな。旬のふきのとうをキッシュに入れるという発想は斬新ですね。ところどころほろ苦くて美味しかったです。他の3つはおなじみの内容ですが、ラタトゥイユの味付けなど、ちょっと真似できないレベルの高さを感じます。
ここでシードルもほぼ飲み終え、赤ワインを投入! ワインバルなので当然種類は豊富です。迷った末、私も母もお気に入りの品種であるシラー種の「エステバン・クリアンサ」と、ガルナッチャ種の「ピーニャ・デ・ミエデス」を1杯ずつ注文しました。家族同士だと気兼ねなくシェアして両方味わえるのがいいですね。ガルナッチャも悪くはないのですがけっこうマイルドで柔らかい感じなので、どちらかといえばシラーのほうが少し渋み・深みがあって好みです。この後、シラーのほうは何回かリピートしました。
料理も追加注文。写真を見ると「もうデザート??」と思われるかもしれませんが、こちらは「濃厚フォアグラのクレームブリュレ」です。ブリュレ自体は濃厚なフォアグラのムースといった感じで、パテよりはかなり食感が柔らかいです。まさにクレームブリュレ。そこに、写真のように砂糖でキャラメリゼしてあります。添えてあるパンもレーズンとクルミが入ったちょっと甘めのパンですが、フォアグラって意外と甘めの味に良く合いますね。赤ワインが進みますが、以前別の店でフォアグラを極甘の貴腐ワインと合わせていたのを思い出しました。
こちらはこの店に来るとほぼ毎回注文する「米沢豚の特大ソーセージ」。不動の一番人気メニューだそうです。大きいので当然カットしていただきますが、肉汁のすごいこと! そのへんの店のハンバーグなんかよりよっぽど「肉」を食べた気になります。肉汁は添えてあるマッシュポテトに絡めてもまだ残るほどなので、最後はパンで拭き取って食べちゃいます。
次が今回の目玉、新メニューの「オマール海老丸ごとリゾット」です。まずはビジュアル的なインパクト! オマール海老1匹丸ごとなので、半身×2とハサミ×2が鍋の中に敷き詰められています。海老を取り皿に移すと、ようやくその下にリゾットの米が見えました。
海老の身はいうまでもなくプリプリで、ハサミの裏側も食べやすいようにカットされています。リゾットの米は黒米で、絶妙なアルデンテ。海老の旨みが染み込んでいて、思わず顔がほころんでしまう感動的な美味しさ! バターが効いていますがしつこくはなく、いくらでも食べられてしまいそうです。今までに食べたどのオマール海老よりも美味しかったのは言うまでもありません。
海老に合わせたのは、シーフードということでやっぱり白ワイン。「コウシーニュ・シャルドネ」と、私と母のお気に入りのスパークリング「マルケス・チベ・ブリュット」を1杯ずつにしました。どちらも美味しいですが、よりオマール海老に合うのはシャルドネのほうかな。でもこのリゾットはかなり濃厚な味なので、ミディアムぐらいの赤でも合うかもしれないと思いました。
最後に白ワインを追加しつつ注文した「イベリコ・セボ 生ハム」。注文を受けてから、大きな骨付きの塊の生ハムを削り取って盛り付けてくれるスタイルです。赤身の部分の熟成した味わいと、脂身の甘さが何ともいえません。塩気が強すぎないのも良いです。またまたワインが進んでしまいます。ちょっと飲みすぎたな~。ご馳走様でした。